先週は「!important #おかわり -Think more!-」というセミナーに参加してきました。
!importantは、2016年7月から開催されている「WebやITに関わる方に役立つセミナーイベント」で、今回までに5回開催されているイベントです。
2016年7月に第1回となる「!important -いまweb制作に必要な考え方-」と題し、福岡でウェブサイトを構成する「デザイン」「マーケティング」「ライティング」を中心としウェブ制作者の知識の向上を目的として開催しました。
前回の登壇者からは「継続した福岡でのセミナーイベント」を、参加者の方からは「福岡以外で、業界前線で仕事をしている方の生の声を聞きたい」という言葉をいただき、不定期ながら継続して開催することにしました。
僕は今回初めての参加だったんですが、
セミナーは「10:00~18:30」まで、1セッション3時間30分。
以下のスケジュールで行われました。
- 第1部 10:00〜13:30 プレゼン思考/田口真行さん
- 第2部 15:00〜18:30 松尾教授のマジカルマーケティングツアー/松尾茂起さん
僕は「第1部」「第2部」と、1日参加することができたので、その時に感じたことをまとめてみようと思います!
※一度僕のフィルターを通っているので、田口さん、松尾さんがそのままおっしゃった内容ではありません。
※ブログ中に掲載している写真は、香川県のフォトグラファー:サン・スタジオの鍋坂樹伸さんの写真を掲載させていただいています。
【第一部】プレゼン思考/田口真行さん
1999年、フリーのWebディレクターとして独立後、株式会社デスクトップワークスを設立。企業サイトの企画~設計~制作~運用を手掛ける傍ら、独自手法のディレクションを題材にした実践型の研修講師として全国各地での講演活動を実施。また、Webディレクター向けのライブ配信番組『田口真行のWebディレクション講座』や、セミナーイベント『エンタミナ』の主催など幅広く活動。2017年、Webディレクター向けのサイトプランニングツール『Webディレクター手帳』を開発。著書に『現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識 知らないと困るWebデザインの新ルール2』(エムディーエヌコーポレーション、共著)、『第一線のプロがホンネで教える 超実践的 Webディレクターの教科書』(マイナビ、共著)。株式会社スクー「2014年度最優秀公認団体賞」受賞。CSS Nite「ベストスピーカー」を2年連続受賞(2015年、2016年殿堂入り)。
引用元: エンタミナ5
田口さんのセミナーで一番印象に残った言葉は、
「プレゼンテーション=反応コントロール」
という言葉です。
そもそもなんですが、「プレゼン」て、辞書にはなんて書いてあるのか気になったので調べてみました。
①提示。説明。表現。
②自分の考えを他者が理解しやすいように、目に見える形で示すこと。
「自分の考えを他者が理解しやすいように」とあるように、プレゼンには「相手」がいます。
その相手に対して、「自分の思いを伝える」ために行うことがプレゼンです。
ここでしっかりと考えないといけないのは、「相手に対して」という部分なんです。
「自分の思いを伝えて、相手に行動してもらう」
プレゼンというのは、自分の思いを伝えることがゴールではなく、「相手にどう動いてもらうか」「自分が思った通りの反応をしてもらう」ことがゴールなんです。
田口さんは、以下のようにおっしゃっていました。
- プレゼンは、自分の言いたいことを言って終わるのではいけない
- 最後に相手がどう思うかが大切
つまり、
- 自分の言葉で相手の心を動かす
- 相手の反応をコントロールする
これができるようになると、素敵なプレゼンになっていくと。
なるほど~・・・
まぐれじゃなく、狙ってウケるための戦略
僕がセミナーをする時に考えているのは、
- そうだったのか、勉強になったと思ってもらう
- 楽しかったと思ってもらう
大切な時間をさき、学ぼうと思って参加してくれているので、「勉強になった」と思ってもらうのは当たり前なんですが、長時間のセミナー中、少し気を抜く場面も必要だと考えているので、必ず笑ってもらえるように「ウケる話」を考えています。
でも、まぁ~スベるんですよね・・・
(も、もちろん「ウケる」時もあるんですよ!笑)
ただ、このウケるという反応も、
- まぐれでウケるようではいけない
- 狙ってウケるようじゃないといけない
っと、田口さんはおっしゃっていました。
ウケるという反応を得たいのであれば、ウケるための構成をしっかりと企画・設計しないといけないし、ウケをどこに持ってくるかも重要だと。
ウケをどこに持ってくるか??
例えば、セミナーの最初の方に「ドカーン」となる「山場」を作ってしまうと、最後の方では話に飽きてしまったりする可能性もあると。
なるほど・・・
僕がやっているセミナーを例にすると、セミナーの最終的なゴールはウケることではなく、「勉強になった」と思ってもらうこと。
それが僕にとっての本当のゴールです。
じゃあ、最終的に参加者の方に「勉強になった」っと思ってもらうためには、「どこにウケる話を持ってきたほうがいいのか」をしっかり考えないといけない。
狙った場所でウケて、最後には勉強になったと思ってもらえるための「企画・設計」ができてこそ、最高のプレゼンになるということです。
正直なところ、「ウケること」と「勉強になったと思ってもらう」ことを、一つの線では考えたことはなく、そこは非常に考えさせられるお話でした。
※ウケを狙うことで最高のプレゼンになるということではありませんので、念のため追記しておきます!
※2017/11/22追記
記事公開後、田口さんがFacebookでこんなことを書かれてましたので、掲載させていただきます!
「ウケる」とは「笑かせる」という意味で大半が伝わりがちだけど、私の中で大切にしてる「ウケる」は、相手に「受け入れられること」の意。
その内、手段のひとつとして「笑い」があったり、「なるほど」という反応があったりする。
そもそも「受け入れられる」ための最短ルートが、私がよくやる「相手を巻き込む展開」であり、その体験を通じて、個々の「らしさ」を助長する、オリジナリティ溢れるプレゼンに発展すると考えてます。引用元: 田口 真行 | Facebook
プレゼンは、資料と言葉の掛け算
また、もうひとつ印象に残ったのが、
「プレゼンは、資料と言葉の掛け算」
という言葉です。
なぜこの言葉が印象に残ったのかというと、約10年前に、僕が生まれて初めて作ったプレゼン資料のことを思い出したからです。
今回、その時の資料を見つけたので、一部を掲載したいと思います。
この資料を作ったのは、確か約10年前(当時20歳)だったと思います。
自分の資料なので言えるんですが、
ひどいですよね・・・笑
ここで、資料内の「ある文章」に注目していただきたいと思います。
ホームページを制作するとなると、「あれも載せたい」「これも載せたい」「ついでにこれも載せたい」など「せっかくだからたくさんの情報を詰め込みたい!」と思われるかもしれません。しかし、それは大きな間違いで、初めてホームページを訪れたユーザーは、サイトの隅々まで見てくれることは、ほとんどありません。
もうお分かりだとは思いますが、
「せっかくだからたくさんの情報を詰め込みたい!~それは大きな間違い」
っと言いながら、それを自分でやっちゃってるんです・・・笑
ちなみに、今回田口さんが3時間30分のセッションで使った資料は、3枚だけ。
この資料を作った時の僕は、文字がびっしりあるスライドを12枚用意していました。
(実際にこの資料を使ってプレゼンをすることはなかったんですけどね)
過去に僕が作ったこの資料だと、プレゼンをする必要はなく、文章を読めば書いていることを理解してもらえると思います。
ただ、僕がいまこの資料を渡されたとしたら、ひとまず流し読みはすると思いますが、読み終わった後には何も頭に残っていないでしょうね。
- 自分の言いたいことを言っているだけ
- しゃべる言葉はすべて資料の中に書いてある
- 相手の気持ちを考えていない
完全に良くないプレゼン資料のサンプルです。
この資料を見て感じるのは、「必死だったんだろうな」ということと「熱量」です。
ただ、熱量だけで素敵なプレゼンはできません。
「プレゼンは、資料と言葉の掛け算」
「プレゼンは、スライドだけで完成ではなく、言葉をのせて初めて完成する」
ほんとにその通りです。
まとめ
他にも、なるほどポイントがたくさんあり過ぎたんですがまとめきれず、箇条書きで書いてみようと思います。
- プレゼンをしている立場の人の気持になって、自分ならどうするかを常に考える
- 聞く人の「想像力」を利用する
- 反応を得るために、あえてスライドを消すこともある
- 先に資料を配っていると、話に集中してもらえないことがあるので、あえて配らない
- 資料を配らないといけない時には、あえて100枚を超えるような資料を用意する(読みたくなくなるから)
- スライドは、パッと見て「5,6秒」で何が書いてあるか分かるようにするといい(理解という意味ではない)
- プレゼンは、言葉や資料だけじゃなく、「すべて」を見られる
- 目線も大切
3時間30分と、時間だけ見ると少し長めのセッションのように思いますが、
まさにまだまだ「お か わ り」したいと思っています!
最終的に今回僕が思ったことがあります。
プレゼンは、自分だけで作るものではなく、参加してくれている方たちといっしょになって作り上げていくもの。つまり、
「プレゼンテーション」は「エンターテイメント」だ
ついつい長文になってしまい、このまま書き続けると非常に読みにくい文章になる可能性が大きいので、松尾さんのセッションについては、別の記事としてまとめたいと思います!
セッション中、田口さんのあるスライドを見ていて、これは隠されたメッセージなんじゃないか?と思ったことがありました。
それは、このスライドです。
この写真を別角度から色味を調整して拡大してみると・・・
NARAUYORI NARERO
※2017/11/22追記
田口さんにコメントいただき、画像を確認すると、
NARAUYORI NAREYO
でした!
っと書かれていることに気がついたんです。
ここからは、完全に僕の勝手な解釈なんですが・・・
「いくらプレゼンの知識があっても、実際に行動して、自分のものにしないと意味がない」
ってことを、表紙のメッセージにしてたんじゃないかなと勝手に思いました。
田口さんは、セッション中「自分のプレゼンを動画に撮って見直そう」っておっしゃっていたんです。
自分のプレゼンを何度も見直すことで、良いところ、悪いところが見えてくる。
※最初のうちは悪いところが見えて嫌になっちゃうので、良いところだけを探すようにとおっしゃっていました。
人に教えてもらうんじゃなくて、自分で何度もプレゼンをして、いいプレゼンになるよう磨きをかけていく
つまり、「NARAUYORI NARERO」じゃないんでしょうか!
もしかしたら、まったく違う言葉だったかもしれませんし、意味合い的にも違うのかもしれませんが、その場合はすみません(笑)